論文情報
- タイトル
Use of pimobendan in feline congenital heart failure - 著者
Shannon Wainberg - 雑誌
Can Vet J. 2013 Dec;54(12):1164-6.
PMID: 24293678
要約
A 6-month-old domestic shorthair cat was referred for evaluation of sudden lethargy and tachypnea following ovariohysterectomy.
Upon failure of improvement with supportive care, a cardiologist identified congenital tricuspid dysplasia with signs of heart failure.
Furosemide, enalapril, and pimobendan were used to reduce clinical signs and improve length and quality of life.
生後6ヶ月の短毛猫が避妊手術後の突然の嗜眠と頻呼吸の評価のために紹介された。
支持療法では改善が認められず、循環器医が心不全の徴候を伴う先天性三尖弁異型を発見した。
フロセミド、エナラプリル、ピモベンダンが、臨床症状の軽減、生存期間とQOLの改善のため使用された。
コメント
症例報告ですが、大まかに経緯をまとめると、
避妊手術後、自宅で調子が悪くなる。
↓
動物病院へ。
点滴、鎮痛剤、抗生剤などで改善せず。
血液検査でいろんな異常。
↓
救急病院へ。
酸素吸入、点滴、抗生剤、鎮痛剤などで改善せず。
心拡大、胸水、肺水腫が見つかる。
↓
心臓病を疑ったので、点滴を中止し、フロセミドを開始。
心臓の精査で三尖弁異型が見つかる。
↓
フロセミド開始後に状態改善し始める。
ピモベンダンとエナラプリルを追加。
↓
その後2年間、エナラプリル、フロセミド、ピモベンダンで維持。
最近の健診結果も良好。
となります。
「ピモベンダンで治った症例報告」というよりは、「ピモベンダンも使ってみた症例報告」という感じで、しかもピモベンダンの開始前にこの猫の状態は改善し始めているので、ピモベンダンがどれくらい効いたのかは不明です。
ちなみに個人的には三尖弁異型の猫はちょいちょい見ますが、大抵は軽度で無徴候、その後も悪化する子は少ない印象です。